「好きな音楽は?」に対して一般人に引かれずかつ通には「おっ?」と思わせる回答

 「好きなアーティストは?」と会話の中で聞かれたときに、「羅針盤Aphex TwinKlaxonsかな。あ、でもMogwaiも捨て難いし……」とか答えたらこいつが音楽コアファンでもなんでもないときに引かれる恐れがある、しかし、こいつがコアファンだった場合、または周りで聞いてるやつにコアファンがいた場合、適当に「ラッドとエグザイルかな」とか答えると「あ、こいつはちがう」と思われる可能性があるなぁどうしよう……と悩む、という状態というのは日常生活でよくありえることである。そんな場合の模範解答を私はあみ出したっ!
 それは「くるりスピッツ(と好きなマイナーな洋楽)」である。「くるり」といったときに相手が知っているような反応を見せたら三組目として好きに洋楽を言う。この場合の洋楽はできればマイナーなほうが好ましい。理由はあとで説明する。ただ、自分が本当に好きなもので無ければ意味が無い。
 これが「一般人からの引かれなさ」と「他のコアファンへのアピール」の二点において良いバランスと攻撃力を両立している。
 まず最初のポイントは一組目の「くるり」。ある程度の知名度は保ちつつも音楽的にもとても優れているという、まさにこの場合最も優れている立ち位置である。一組の場合はくるりのみが好ましい。しかし、「ガールズネクストドアー好きー」とかいっちゃうような人々はくるりでさえ知らないことが多々ある。そこで対策としての二組目、「スピッツ」である。スピッツは「チェリー」「ロビンソン」「空も飛べるはず」など「老若男女誰もが知る名曲」をいくつももっているのと同時に、たとえばアルバム「隼」などでは、激しいロックや打ち込みを導入したロックなど売れ線とは外れたような音楽的に優れた楽曲にも多々挑戦していることなどによって、コアファンからの評価も高い。くるりを知らない人でもスピッツなら誰でも知っている。
 そして、相手がくるりを知っていた場合の「好きなマイナーな洋楽」が起こす効果は「邦楽二組洋楽一組」というバランスで「邦楽ばっかり聞きまくってるやつでもなければ『洋楽聴いてる俺カッコイイ状態』でも無い」という絶妙な位置をアピールできるとともに、相手がコアファンだがそのアーティストを知らなかった場合、「こいつけっこう詳しいんじゃないか?」、「この三組に『スピッツ』を入れてくるって事は『マイナーな音楽聴いてる俺カッコイイ状態』じゃなくて、本当に自分の感性で聞いてるタイプだな?」と思わせることができるのである。さらに、「それどんなの?」と質問されることで話を広げることができるし、もし相手が知ってた場合、「マイナーなものを共有する仲」というかなり大きい共有意識を与えることができる。


 と、「好きな音楽は?」に対しての回答程度を何をまじめに深く考えているんだ、と言われそうではあるが、こういうしょうもない出来事でもめちゃくちゃ人の目を気にする人種というのは意外と多いのである。こっちは必死なのだ。