お笑いでの方法論を他のジャンルに応用してみよう
お笑いというジャンルは、他のジャンルと比べて、かなり手法や状態が名称付けられ、言語化されているジャンルだ。例えば「テンドン」「カブセ」「スカシ」「フリオチ」「ベタ」「シュール」「緊張と緩和」「間」などだ。
一つのジャンルにある理論や技法というのは、少し形を変えれば他のものにも応用できる、というものがとても多い。
そのため、先にあげた手法というのは、お笑いだけでなく、他のジャンルにも応用できる。それを今から紹介していこう。
テンドン
これはお笑い用語の中でもかなり浸透率の高い言葉ではないだろうか。テンドンとは、一度やったボケを忘れた頃にもう一度やる、というもの。
<感動への応用>
・序盤でキーアイテムを登場させ、中盤以降の感動シーンに再び登場させる。
例
序盤に幼馴染が主人公にぬいぐるみをあげるが、その後主人公はそれを「なくした」と言う。終盤、二人は付き合うことになり、そのときに「なくした」と言うのは照れ隠しで実はまだ大事に取っておいたことが明らかになる。
<恐怖への応用>
・序盤でキーアイテムを登場させ、それ以降のシーンに再び登場させる。
例
親友の部屋に行くとそこには血まみれで死んでいる親友が。その傍らには溶けかけた棒アイスが。その一週間後、自室に気配を感じ、警戒しながらドアを開くとそこには溶けかけた棒アイスが。
フリオチ
普通ならこうなる、という前提を作っておいて、それをその後ボケで覆す。
<感動への応用>
・前提を作っておいて、それをその後感動に利用する。
例
彼氏は彼女の誕生日に仕事があって行けないと言っていた。しかし、なんとか必死に終わらせて日付が変わるギリギリに駆けつける。
<恐怖への応用>
・前提を作っておいて、それをその後恐怖に利用する。
例
部屋に見覚えのない箱があり、嫌な気配を感じつつそっとあけると、中はカラだが蓋を開けた手に蜘蛛が乗っている。
スカシ
普通はここでボケるだろう、と期待しているタイミングでわざとボケないこと。
<感動への応用>
・感動があると見せかけて無く(ここまでがスカシ)その後そことずれたポイントで感動。
例
彼氏からプレゼントを用意されたが、それは安っぽいぬいぐるみ(ここまでがスカシ)。そのぬいぐるみの手には指輪が。
<恐怖への応用>
・恐怖があると見せかけて無く(ここまでがスカシ)その後そことずれたポイントで恐怖。
例
後ろに物音と気配を感じで振り向くと何もいない(ここまでがスカシ)。安心して前を向くと霊が。
まとめ
他の技法も応用できると思うので、暇な人は考えてみると良いかもしれません。