はたして、鳥居みゆきに最も相性の良い芸人は誰だろう?

 暴走芸人として名を馳せている鳥居みゆきだが、実は精巧な言葉選びを得意としていたり、独特な世界観のコントを作り上げる名手だということは、インターネットでお笑いブログを読むくらいの人ならば知っていることだろう。しかし、バラエティのトークなどでは、鳥居みゆきが発した言葉の「笑いのポイント」とずれたところで笑いになっている場面が少なくない。すなわち、鳥居みゆきは完全に活かされているとは言えないのだ*1
 ここで、鳥居みゆきに最も相性の良い芸人は誰だろう? ということについて考えていきたいと思う。
 鳥居みゆきファンの間でまず候補に挙がるのがカンニング竹山飛石連休藤井だろう。両名はGyaoなどでの競演も多く、そもそも「鳥居みゆき」という人間についてとても詳しく知っている。そのため、鳥居みゆきが意図する「笑いのポイント」からずれることが他の芸人と比べて少ない。
 が、まず竹山はNGだ。彼は鳥居みゆきのボケを「分けが分からないこと」「空気読もうねー」的な方向で処理することが多い。それは笑いには繋がるが、当然鳥居みゆきが意図する「笑いのポイント」からは、ずれている。意図を分かっていても処理できないからやっているのかもしれないが、これではダメだ。
 そして、飛石連休藤井だが、これもGyao鳥居みゆきとの番組を見る限り、良いとは言えない。彼の素晴らしいことは鳥居みゆきのボケを「分けが分からないこと」と処理することがまず無いというところだ。しかし、彼に足りないのは「ややこしい意図を読み取る能力」だ。鳥居みゆきが分かりづらい言葉遊びなどをしたとき、彼はそれを拾おうとしたり活かそうと突っ込むのだが、意図を読みきれず的外れなツッコミをしていることが多い。
 この二つの例から考えられる鳥居みゆきを活かせる条件は、「『すべった』『分け分からないですね』のようなツッコミで、他人のボケをすべり笑いにすることが無い」ということと、「細かいところまで丁寧に拾える能力がある」ということだろう。
 ここで私が推したいのが、意外に思われるかもしれないが、FUJIWARAの藤本である。
 まず彼が、「『すべった』『分け分からないですね』のようなツッコミで、他人のボケをすべり笑いにすることが無い」の条件を満たしているということは多くの人が納得してくれることだと思う。
 で、問題の「細かいところまで丁寧に拾える能力がある」というところだが、藤原はこの能力がかなり高い。
 彼はざまざまな番組で「ガヤの名手」として称えられているが、そのガヤの中で「他の人が全く気がついていない、他の芸人が放ったボケの意図」を拾っていることがめちゃくちゃ多いのだ。司会や他の芸人が「何をゆうてんねん!w」「意味わからへんわ!」と処理する中、彼だけが「○○やからな」とガヤでそのボケを正しい意図で拾っているのだ。
 そこから考えるにおそらく彼のボケの意図を読む能力は芸人の中でも屈指であろう。これから彼がテレビに出ているとき、その辺のことにも注意してみてもらいたい。
 また、もう一人番外的な意味での候補としてアンタッチャブル山崎がいる。アメトーークで彼が特集されたとき、「周りにボケの芸人がいても、ついツッコミにまわされてしまうほどのボケ」と評されていた。鳥居みゆきも生粋のボケ芸人で、どんな状況でもボケることを忘れなく、ボケの芸人が鳥居みゆきにはツッコんでしまう、という場面を何度も見たことがあるため、果たしてこの二人が競演したとき、どちらがボケ合いに競り勝つのかというところに興味がある。
 この両名と鳥居みゆきが競演することがあったら、このような目線で見てみるとおもしろいかもしれない。

*1:そもそも「完全に」活かされるなんてことは他の芸人でもなかなか無いが、鳥居みゆきはその「活かされてなさ」が群を抜いている。